平屋住宅と耐震

平屋住宅は二階を支えなくて良いのもメリットです。二階建ての場合は、一階と二階の外壁が水平のラインで施工されていないと、不自然な負荷が一階部分に掛かってしまいます。平屋住宅では、建物全体で屋根だけを支える構造に設計できるので、安定した住まいに仕上がります。
注文住宅で平屋住宅を新築するときは、屋根の重量をどのように支えているのか意識してみましょう。設計の段階で、屋根の負荷がどのようになっているのか工務店に質問すると教えてもらえます。屋根の負荷で注意したいのが太陽光パネルの重量です。屋根材に太陽光パネルがプラスされると、重量バランスが変化します。太陽光パネルの設置面と、設置していない面で、一階への負荷が変わるからです。直射日光の当たる南面の屋根だけに太陽光パネルを設置する場合も同様です。太陽光パネルを設置するためには架台も必要です。パネルと架台の合計重量が、一階への負荷となります。注文住宅で太陽光発電を利用したい場合は、一階への負荷を計算してもらって、無理のないバランスに仕上げてもらいましょう。太陽光発電システムを取り扱っている工務店や、オール電化の注文住宅は、一階への負荷を計算したうえで、耐震性を設計に組み込んでくれます。
平屋住宅は見た目が安定していますが、屋根に設置する設備機器類の重量で、大きく負荷が変わる場合があります。新築の段階で負荷への配慮ができれば、平屋住宅の耐震性は機能します。平屋住宅を完成させてから、後付けスタイルで太陽光発電を取り入れる場合は要注意です。平屋住宅だから安定していて安全だろうと安易に考えてしまうと、重量の負荷の変化で耐震性そのものも弱まってしまうからです。新築段階で太陽光発電を考慮していれば、建物の耐震性を弱めることがありません。予算を確保できてから後付けしようと考えるよりも、新築の設計段階で話し合うほうが平屋住宅でも心強いです。注文住宅は工務店と話し合う時間を多めに確保できるので、遠慮なく相談しましょう。平屋住宅は屋根のメンテナンスを作業しやすいので、太陽光発電のパネルの保守点検作業も行ないやすいです。保守点検しやすいと、耐震性が充分に機能しているかも把握しやすいです。太陽光発電を中止してパネルを撤去する場合も重量バランスが変化しますが、パネルの撤去は軽量化と同等の効果なので、耐震性を弱める心配がありません。
平屋住宅だからこそ、最初の設計と施工の重量計算が、耐震性を正確に維持するポイントです。